スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--)|
  2. スポンサー広告

あやしい高音質CD

以前から、高音質CD-Rやら、高画質DVD-Rなんて怪しいものが売られているが、1枚10万円の超高音質CDが発売されるらしい・・・
高音質CD-Rってのは、ぼくが学生の頃からあって、デジタル処理するのに音質が良いも悪いもないだろうと思っていた。

そして、就いた仕事は、次世代光ディスク(光ディスクというのはCD、DVDなんかの総称)の研究開発。 そりゃ、その道のプロだらけの場所なんで、いろんなひとにCDの音質がCD-Rの出来で変わるかどうか聞いてみた。

答えは、ぼくがそれまで思っていたのと同じ「デジタル処理しているんだから、音が止まるか、完全に再現するかどちらかで、音質が悪くなることはないはず。」だった。

高音質CD-Rや高音質CDの謳い文句は次のような感じで、高精度にできているから読み取り時のエラーやノイズが少ない、つまり、本来の音を忠実に再現できるといったもの。

・高精度グルーブ、ピットによるノイズの低減
・高精度基板による反りの抑止、読み取り精度の向上

まあ、これがアナログ的に再生するレコードなら分るが、CDでは、「へぇ、そうなんだ」というわけにはいかない。 

CD(DVD、Blu-rayなどすべて)の信号は長短のマーク(ピット)が刻まれていて、それの有無をレーザー光で読み取って再生する。 レーザーで読み取るところまではアナログなので、確かにディスクの精度によって、信号の品質に影響が出る。 しかし、その後、デジタル処理するときに、強力なエラー訂正をかけるので、ちょっとやそっとアナログの品質が悪くても、何事もなかったように、正しいデジタル信号が復元される。 CDの読み取り面に細い油性ペンで落書きしてみても、ちゃんと再生されるくらい、光ディスクのエラー訂正は強い。 つまり、一般的な精度で作られたCDなら少々傷つこうが、反ろうが、本来あるべき情報を寸分違わず再生できるように設計されているのだ。 また、万一、エラー訂正限界を超えた傷などがあった場合には、音が悪くなるのではなく、音が飛ぶのが普通だろう。

と、これが光ディスク技術者の一般的な回答なのだろうが、それにしても有名企業が、どうどうと高音質なんていって売ったり、さらには当時100円もしなかったCD-Rの高音質版が2000円で売られたりしているのを聞くと、どうも納得がいかないので、もう少し調べたり、考えたりしてみた。

すると、一つ音質に関係する要素があることに気づいた。
CDに収録された音楽情報(主信号)の読み出しについては、上に書いた通り、少なくとも日本で作られたCDなら、一切のエラーなく行われるはず。 しかし、主信号以外の部分が悪さをする可能性はある。 電子機器(とくにPCなどはひどい)は回路を電気が流れる限り、多かれ少なかれ電波を出し、それが自他の回路にとっての電気ノイズになる。 もちろん、それらは製品の使用上影響が出ないレベルに抑制されているものだが、一般的なユーザーが満足するレベルで、価格に見合ったところに落ち着くものだろう。 これがこと音質となれば、こだわりのあるユーザーには気になる場合もあるだろう。 高精度なCDが一般的なCDよりも、レーザーでの読み取り時に負荷が少なく、サーボ系などに流れる電流量が下がるなら、発生するノイズも多少は減るかもしれない。 音の出力までにアナログ部分があれば、そこに乗るノイズの量が減って、音質が良くなる場合も考えられる。

と、CDやCD-Rの出来によって音質が変わる場合があることは分ったのだが、本来、音質にこだわるなら、上に書いたようなアナログノイズの影響をもろに受けるようなプレーヤで再生しているのが可笑しな話だ。 それに、そんな回路の場合には、CDの再生だけでなく、様々な回路ノイズの影響を受けているわけで、CDだけを良くしてどれだけ差が出るのかも怪しいものだ。 また、CDに加工して音をよくする方法なんてのは、アナログとデジタルの意味も理解してないような間抜けな解説付きで紹介されていて、基本的には眉唾なものばかり。

一方、CDの機械精度ではなくて、ソフトとしてのマスター音源を作る過程のノイズを減らして、出来るだけ原音に近い音を主信号として入れるタイプの高音質CDもあるが、それこそまさに正攻法。 CDでもDVDでもBlu-rayでもHD DVDでも、音質や画質に一番影響が出るのはソースやその変換行程の品質。 そして、音にこだわるなら高品質なCDプレーヤやアンプ、スピーカーを揃えるのが、まず第一。 もちろん、そこまでこだわるなら、CDじゃなくて、DVDオーディオやSACDにした方が良いと思うけど。

--------------------------

さて、書きたい放題させてもらったところで(笑)、初めに触れた超高音質CD。

ガラス基材を利用した1枚98,700円の高音質CD
夢のCD:ガラス製「音」劣化しない 1枚9万8700円

あやしい・・・

「ガラスは透明で、反りが少ない」
それは事実だが、ポリカーボネートとガラスの透過率(複屈折)や反りの差は、よほど劣悪な再生環境(装置)でない限り影響が出ない。 ただし、上で書いたアナログノイズに差が出る可能性はある。

「フライホイール効果により回転が滑らか」
それも事実だが、CDの回転数のブレは再生までの間に補正できるはず。 確かにそれが出来ない再生環境では差が出るが、重さの差はせいぜい2~3倍。 また、逆に言うと、ちゃんと回らないドライブに重いディスク載せて負荷かけすぎたら、逆に回転ブレが大きくなる可能性もあると思う・・・ どっちにしても、ちゃんと回るドライブ使うほうが良いのでは。。。

「孫子の代まで大事にするCDを作りたかった」
孫子の代まで使えるCDじゃないところが上手い!
普通のCDも孫子の代まで使えるはずだが、10万円で買ったCDほど大事はしないだろう。。笑 しかもガラスだし、そりゃ大切に扱うだろうね・・・笑

「独自開発の光硬化技術による高精度微細転写方式」
ってことは、信号ピットはガラスじゃなくて光硬化性樹脂で作っているんじゃないだろうか。 だとすると、普通のCDに使われているポリカーボネートよりも長期保存性が低い可能性が・・・

ま、比較サンプルをつけるくらいの自信があるようなので、記事に書かれていない良い点がいろいろあるのかもしれないが、さすがに高すぎる。 同じお金を出すなら、再生環境整えた方が良いのでは。。 もちろん、金が余ってる人がコレクションで買う分には面白いと思いますが、へたな受け売りの自慢をすると、無知を晒すことになりそうです・・・

スポンサーサイト
  1. 2006/11/05(日)|
  2. テクノロジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<アメリカン・モタード | ホーム | デジタルって何?>>

コメント

高い,高すぎる!

ビックリですねー。ガラス?
それにしても高い。
どうせなら貨幣価値のあるゴールドで作って、
お金に困ったら売れるようにするといいな。
って、わたし、考え方が貧乏人だわw
  1. 2006/11/05(日) 01:08:35 |
  2. URL |
  3. betty #-
  4. [ 編集]

リンク先の記事を読んで驚きました。
世の中には録音家なんて職業もあるのですね。
>開発者で発売元のN&Fレーベルの録音家、福井末憲さん(60)
高齢化社会の商売ってことでしょうか、、、
  1. 2006/11/05(日) 01:17:16 |
  2. URL |
  3. Take4 #-
  4. [ 編集]

ポリカは…

ポリカーボネートは空気中の水分を吸って白濁するとか聞いたことがありまつ。
温度変化で歪みも出るかと。

CD-Rは色素だから色素が飛んで読めなくなることの方が多かったり。
(ウチの事務所では5年周期くらいで焼きなおしてまつ)

そーいえばプレスのCDも蒸着されたアルミが腐食して読めなくなるケースがあるとか。

なんにせよ光学メディア(光磁気ディスク含む)の寿命は磁気メディアのそれより短いと言うのは如何とも……(^^;

記録メディアってのは原始的になれば原始的になるほど強いものなんでしょうなぁ。
行き着くところは…石版?(核爆
  1. 2006/11/05(日) 03:20:06 |
  2. URL |
  3. Oh!磯 #sNuO7hDs
  4. [ 編集]

高級ドライブを出している事で有名なシ○ノケシンは
Trayの色は”黒”と決めています
理由は他光源の光やOPUレーザの漏れ光が
記録時に影響を及ぼし、記録ジッターになるのだとか・・・・・(^^;

オーディオ用では流石に無いでしょうが
PC用(=映像Player)では、ChipのアナログAMPが省電力化の為(1Chip化で電気的に厳しいんですわ)に単純化され
結果”ダイナミックレンジが規格に満たない”って
笑えない話もあったり(笑

最近の主流としては、AudioもDataとして扱い
Drive外へ出し、専用AMP(とは言えそんなええもんでもなく)で
音に変換となっていますので
ますますDriveの出すNoiseの影響は少ないかと

  1. 2006/11/05(日) 18:55:01 |
  2. URL |
  3. Utsumi #-
  4. [ 編集]

長いです

bettyさん:高いですよね~ ちなみに最近は減りましたが、DVDの信号層には金も使うんですよ。

Take4さん:アナログ部分はやりよう次第で、かなり品質が変わりますからね。 そんなプロがいるのもちょっと納得です。

Oh!磯さん:さすが何でも詳しいですね~。ポリカは確かに水分を吸いますし、それによって透過率が変化したり(白濁というほどのものではありませんが・・)、反ったりしますが、いずれも許容範囲内、正規のシステムの中では、破綻までに相当なマージンがあります。 

CDの色素は飛ぶというよりも変質による影響が大きいようですね。 その意味では無機系の材料の方が安定しているというのが一般論ですが、実は無機系の材料は原子レベルで拡散(この場合は飛ぶという表現が正しいかもしれません)が起きる可能性もあるので、どちらが安定しているかは、作り方次第ですね。

アルミの腐食も、作り方、保管環境に大きく影響されますが、これもまともなメーカーはちゃんと耐久試験をしているので問題ありません。

光学メディアと磁気メディア、特徴が違うので使い分けが必要でしょうね。ただ、光学メディアの方が寿命が短いというのは、ある場合そう見えただけかもしれません。僕の場合は、HDDが壊れる頻度の方が随分高いです。まあ、光学メディアの最大の利点は価格と可搬性ですね。 材料論的には、DVD-RAMなんかは100年以上、持つはずなんですけど、ドライブがしょぼいと書いた直後に読めない場合もあったとかなんとか・・・

Utsumiさん:黒Tray、ありますね。あんなのは確信犯的に誤解を与えて消費者を煽っているようにしかみえません。。。 
「規格に満たない」ディスクやドライブなんて世の中に溢れてますからね・・・ 結局、粗悪なメディアでの問題が、消費者に不安を与えて、その不安に付け込む確信犯的商売人がいて・・・ってなループが出来ちゃってるんですよねぇ。。
  1. 2006/11/05(日) 20:52:38 |
  2. URL |
  3. a1 #-
  4. [ 編集]

トレたま動画

WBSでやってたんですね。
トレたまの動画があったので見ましたが、予想通りの作り方でした。つまり、長期保存性は、微妙ですね・・・
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2006/10/31/toretama/tt.html
  1. 2006/11/07(火) 01:44:08 |
  2. URL |
  3. a1 #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://bluray.blog16.fc2.com/tb.php/179-29e773ca

HOME

Los Angeles Time

JAPAN Time

Recent Entries

Category

Recent Comments

Recent Trackbacks

06 | 2017/07 | 08
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

Archives

Links

Search


a1

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。